カッコウは子育てをしないクズ?托卵で雛を排除されて失敗することはあるのか
今回登場するのは、童謡や映画のタイトルにも使われ、托卵する鳥としても有名なカッコウです。
子育てしないなんて「ヒドイ!」「クズだ!」という容赦のない意見も聞こえてきそうですね。
そこで、今回はカッコウがどうして托卵するのか?托卵で雛を排除されて失敗することはあるのか?鳴き声についても調べていきたいと思います。
カッコウの生態
鳥綱カッコウ目カッコウ科に分類される鳥。
ユーラシア大陸とアフリカで広く繁殖する。日本には夏鳥として5月ごろ飛来する。
森林や草原に生息する。日本では主に山地に生息するが、寒冷地の場合平地にも生息する。
和名はオスの鳴き声に由来し、他言語においてもオスの鳴き声が名前の由来になっていることが多い。
属名Cuculusも本種の鳴き声に由来する。種小名canorusは「響く、音楽的」の意。
本種だけではなくCuculus属は体温保持能力が低く、外気温や運動の有無によって体温が大きく変動する(測定例:日変動29〜39℃)ことが知られている。
食性は動物食で昆虫類や節足動物等を食べる。主に毛虫を食べるとされる。
カッコウの托卵
ここでは、カッコウの托卵の概要、失敗はあるのか?カッコウはクズなのか?托卵をする理由についても紹介していきます。
托卵とは?
「托卵」を行う種として有名である。オオヨシキリ、ホオジロ、モズ等の巣に托卵する。近年ではオナガに対しても托卵を行うことが確認されている。
托卵の際には巣の中にあった卵をひとつ持ち去って数を合わせる。
ヒナは短期間(10-12日程度)で孵化し、巣の持ち主のヒナより早く生まれることが多い。先に生まれたヒナは巣の持ち主の卵やヒナを巣の外に放り出してしまい、自分だけを育てさせる。
托卵は失敗することがある?
托卵のタイミングが遅いと、先に孵化した巣の持ち主のヒナが重すぎて押し出せず、一緒に育つ場合もある。
ある個体が巣に卵を産みつけた後、別の個体が同じ巣に卵を産むことがある。2つの卵がほぼ同時にかえった場合、2羽のヒナが落とし合いをする。敗れたほうには当然死が待っている。つまり、カッコウ同士でも生存競争があるということ。
また本種の卵を見破って排除する鳥もいる。それに対抗し、カッコウもその鳥の卵に模様を似せるなど見破られないようにするための能力を発達させており、これは片利片害共進化の典型。
カッコウはクズではい!体温が原因?
カッコウがなぜ托卵をするのかというのは未だ完全には解明されていないが、他種に托卵(種間托卵)する鳥は体温変動が大きい傾向があるため、体温変動の少ない他種に抱卵してもらった方が繁殖に有利になりやすいのではないかという説が有力である。
ちなみに同種の巣に卵を預ける種内托卵は、鳥類では多くの分類群で認められる行動。
鳴き声は童謡のカッコウと同じ?【動画あり】
「カッコウ」というオスの鳴き声からカッコウと呼ばれているわけですが、実際にどんな感じで鳴くの聞いたことがない人もいますよね?
実際はこんな感じ。
どうでしょう?
1つ目の動画だと童謡の「かっこう」とは音程もテンポも全然違う感じがしますね。
2つ目の動画の鳴き声は比較的童謡寄り?
鳴き声には結構個体差があるんでしょうか?
ちなみに、童謡の「かっこう」は元々はドイツ民謡のようですね。
漢字と英語表記
漢字では、郭公。
英語では、Cuckoo。
どっちも音から付けた名前というのがわかりますね。
まとめ
カッコウについて色々と調べてきましたが、まとめると以下のような感じです。
・日本には夏鳥として5月ごろ飛来する。
・オスの鳴き声が名前の由来。
・体温保持能力が低く、外気温や運動の有無によって体温が大きく変動する。
・動物食で昆虫類や節足動物等を食べる。
・托卵を見破られたり、カッコウ同士で競いあってどちらかが死に至るケースもある。
・どうして托卵をするのかというのは未だ完全には解明されていないが、体温変動が大きいため、体温変動の少ない他種に抱卵してもらった方が繁殖に有利になりやすいのではないかという説が有力。
・実際の鳴き声は童謡にイメージが似ているものと似ていないものがいるので、個体差があるのかも?
最後まで読んでいただきありがとうございました。